
うさぎやモルモット、チンチラ、デグーなどの草食動物にとって、牧草は毎日の健康を支える最も重要な食事です。
しかし、当院でも「牧草を食べない」「どの牧草を選べばよいかわからない」「ペレットばかり食べる」という相談を多いただきます。
当院でも、食欲不振や不正咬合、胃腸うっ滞の診察時に、牧草不足が関係しているケースを多く経験しています。
牧草は、歯・胃腸・体重管理・ストレス予防まで関係する重要な主食です。
今回のコラムでは、
- 牧草の役割
- 牧草の種類
- 牧草を食べない原因
- 牧草不足で起こる病気
- 牧草の保存方法
を内容を詳しく解説します。
目次
牧草とは?草食動物にとって必要不可欠な食事
牧草とは、乾燥させたイネ科やマメ科の草を指します。
うさぎ・モルモット・チンチラ・デグーなどの草食動物では、牧草が食事の中心になります。
野生のうさぎでは、1日の大半を草を食べながら過ごします。
草を長時間噛み続けることで、歯が正常にすり減り、胃腸も動き続けます。
室内飼育でも同じ様な環境を作る必要があるため、牧草は「好きな時にいつでも食べられる状態」が理想です。
当院では、診察時に「体重」「便の状態」「歯並び」と同じくらい、牧草の食べ方を重視しています。
牧草が重要な理由|牧草不足で起こる病気
牧草には、草食動物の健康維持に必要な働きがあります。
牧草は歯の健康を守る
うさぎやモルモットの歯は一生伸び続ける”常生歯”と呼ばれ、
うさぎの歯は1か月で数ミリ伸びると言われています。
牧草を長時間しっかり噛むことで、歯が自然に削れますが、
ペレット中心の食生活になると咀嚼回数が減り不正咬合が起こりやすくなります。
不正咬合になると、
- よだれ
- 食欲低下
- 口周囲の皮膚炎
- 流涙
- 体重減少
などの症状がみられます。
牧草は胃腸の動きを維持する
牧草には豊富な繊維質が含まれており、それを摂取することで腸を刺激し
正常な胃腸運動を維持してくれます。
うさぎでは、胃腸の動きが低下すると「胃腸うっ滞」が起こります。
胃腸うっ滞では、
- 食欲低下
- 小さい便
- 便が出ない
- 動かない
- お腹を痛がる
などの症状がみられます。
胃腸うっ滞は命に関わることもあるため、早期対応が重要となります ‼️
牧草は肥満予防にも役立つ
ペレットやおやつ中心の食事は、高カロリーになりやすい傾向があります。
一方で、牧草は低カロリーで繊維質が豊富で十分に食べてもらうことで、
- 満腹感
- 咀嚼時間の増加
- ストレス軽減
につながります。
肥満は関節疾患や毛づや悪化、毛球症リスク上昇につながるため注意が必要です。
牧草の種類|
牧草にはさまざまな種類があり、草食動物の年齢や体質に合わせて選ぶことが重要です。
チモシーの特徴|最も基本的な牧草
チモシーは、最も広く使用されているイネ科牧草で繊維質が豊富で、
低カルシウム・低カロリーという特徴があります。
健康な成体うさぎでは、チモシー主体の食生活が基本になります。
こちらでは当院で取り扱っている牧草について紹介させていただきます!
- アメリカンペットダイナー チモシーハイファイバー 1番刈り

茎が多く、しっかりとした歯応えがあり繊維質が豊富で歯の摩耗効果が高い牧草
そのため、成体うさぎ、肥満傾向、不正咬合予防にオススメです!
- アメリカンペットダイナー チモシーゴールド 2番刈り

甘味があり、葉が多く柔らかい牧草
嗜好性が高いため、牧草嫌い、高齢の子、食欲低下時にオススメです!
- プレミアムウルトラソフトチモシー3番刈り

非常に柔らかくて香りもよく、栄養価が高い牧草
こちらも嗜好性が高いため、牧草嫌い、高齢の子、食欲低下時にオススメです!
- OXBOW オーチャードグラス

甘みのある柔らかい牧草
硬いものが苦手な子やシニアさん、歯のトラブルがある子
牧草初心者の子でも食べやすくなっています!
- OXBOW ウエスタンチモシー

高繊維、低カルシウム、低タンパクの硬めの牧草
低カロリーなのでダイエットの子にもおすすめです!
- OXBOW ヘイブレンド

ウエスタンチモシーとオーチャードグラスをミックスしたもので
食感の違うため飽きなく食べてくれます!
- OXBOW オーガニック メドゥヘイ

農薬、化学肥料を一切使用していない100%有機栽培の牧草
チモシー、オーチャードグラス、ブロームヘイ、レッドクローバー
など混ぜ合わせているため色々な味や食感が楽しめます!
- OXBOW ボタニカル

ウエスタンチモシーに季節ごとに採れる数種類の香りのいいハーブ
(カモミール、ラベンダー、ハイビスカスなど)をブレンドした牧草
ハーブの心地よい香りが食欲をそそります☺️
- 生牧草

中央牧草センターから購入している農薬や化学肥料を一切使用しておらず
安全性・安定性・品質の高いイネ科の生の牧草
季節により入荷する種類も変わります。
イタリアンライグラス(冬に入荷)
甘さがあり嗜好性が高い牧草
茎も細めで歯も柔らかいのでとても食べやすいです!
緑葉(夏に入荷)
水分量が多く嗜好性が高い牧草
茎と葉がしっかりしているので噛み応えがあります!
不正咬合で牧草を食べない
歯に問題があると、硬い牧草が食べにくくなることがあります。
「ペレットは食べるが牧草は食べない」という症状は、不正咬合でよくみられます。
特に、
- 牧草を口から落とす
- 片側だけで噛む
- よだれ
- 涙
がある場合は注意が必要です。
牧草の鮮度低下で食べない
牧草は鮮度が非常に重要で、開封後に湿気を吸うと香りが低下します。
香りが弱くなると、急に食べなくなるケースもあり「新しい袋に変えたら急に食べた」という
こともよくあります。
ストレスで牧草を食べない
環境変化でも食欲低下は起こります。
- 引っ越し
- 温度変化
- 騒音
- 来客
などでも食欲は低下します。
牧草摂取量が減った場合は早めの観察が重要となります。
牧草の正しい与え方
牧草は「少量を置く」のではなく、「常に食べられる状態」が理想的です。
牧草は食べ放題が基本
草食動物では、24時間いつでも牧草を食べられる環境が理想的で
牧草制限は胃腸トラブルの原因になります。
ケージ内には常に新鮮な牧草を用意してあげてください。
牧草与え方を工夫する
牧草入れによって食べる量が変わることがあります。
実際に当院の飼育相談でも、高い位置に置いてみる、
お皿使用せず床に置くなどの方法で摂取量が増えたケースもあります。
牧草の保存方法
牧草は保存状態で品質が大きく変わります。
牧草保存のポイント
- 直射日光を避ける
- 高温多湿を避ける
- 密閉容器を使用する
- 開封後は早めに使用する
⚠️夏場は特に注意が必要で、湿気を吸った牧草は香りが弱くなりカビが発生することがあります。
牧草不足で受診が必要な症状
次の症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- 牧草を急に食べなくなった
- 便が小さい
- 便が少ない
- よだれ
- 涙
- 元気低下
- 体重減少
- ペレットしか食べない
特に「半日以上食欲低下」がある場合は注意が必要です。
草食動物さんは短時間でも状態悪化することがあります。
まとめ|牧草は草食動物の健康寿命を支える重要な食事
牧草は、草食動物の健康維持に欠かせない主食です。
牧草には、
- 歯の摩耗
- 胃腸運動維持
- 肥満予防
- ストレス軽減
という重要な役割があります。
「牧草を食べない」は単なる好みではなく、病気のサインの場合もあります。
当院では、牧草選びや食事相談も行っています。
- 牧草を食べない
- 便が小さい
- 不正咬合が心配
- 食事管理に悩んでいる
などのお悩みがある飼い主様は、お気軽にご相談ください。

