こんにちは☀️花咲く動物病院です🌸
今回の内容は、犬または猫の「肛門腺炎」についてお話しさせていただけたらと思います。
肛門腺炎とは?
肛門腺とは肛門左右にある小さな袋のことで、排便時に自然と分泌液が出て臭いマーキングや潤滑の役割を担う構造です。肛門腺炎とは、その袋が詰まったり細菌感染した状態を指します。
症状を見逃さない: 肛門腺炎 のサイン
多くの飼い主様が「気づいたときにはかなり悪化していた」という声が非常に多いです。そこで以下に代表的な症状をまとめました。
症状1:お尻を地面にこすりつける
犬がお尻を床などに「スリスリ」する行動は、強いかゆみや違和感を示す典型的なサインです。肛門腺が詰まり始めると排泄されるべき分泌液がたまり、周囲の組織を刺激するからです。飼い主様が日常でこの行為に気づけば、早めの来院で処置も軽く済みます。
症状2:お尻周辺の赤みや腫れ、痛み
肛門腺の内圧が高まると、肛門周囲の組織が腫れて赤くなります。犬が触られることを嫌がったり、驚くような大声を出す場合は、すでに炎症が強い状態です。
症状3:悪臭のある分泌物や膿が出る
正常な分泌液に比べて、炎症が起きている肛門腺からは黄色や緑色の膿や嫌な臭いのある液が出ることがあります。この場合は細菌感染が進んでおり、抗生物質や排膿処置が必要になるため病院での処置が不可欠です。
なぜ犬は肛門腺炎になるのか?肛門腺炎 病院 処置 に至る原因
肛門腺炎の発生には複数の原因があります。複数要因が絡むこともありますが、ここで代表的なものをご紹介します。
原因1:肥満による排出不足
体重が標準体重より10%以上重いと、肛門腺が圧迫されて分泌がしにくくなります。太り気味の犬は肥満が原因で肛門腺炎になるケースが多く、自宅で体重管理や食事量を調整することが有効です。
原因2:下痢や軟便による自然排出不足
便が柔らかすぎると、肛門腺の分泌が自然に促されにくくなります。頻繁な下痢が続く犬は肛門腺ケアを意識しておく必要があります。
原因3:遺伝的・体質的な要因
一部の犬種(例:フレンチブルドッグ、ビーグル、ウェルシュコーギーなど)は肛門腺の形状が原因で詰まりやすく、定期的なケアが推奨されます。
当院の「肛門腺炎 」対応フローと治療内容
- 聴診・触診による初期評価
飼い主様からの症状確認を元に、肛門腺の腫れ具合や分泌物の性状をチェックします。その結果に応じて処置計画を立てます。
- 肛門腺の排出処置
獣医師が専用手袋・潤滑剤を使い、腫れた肛門腺から分泌液または膿を丁寧に手で排出します。この処置は場合によっては数分で終わり、ほとんどの犬が処置後にすぐに落ち着きます。
- 抗生物質や鎮痛薬の投与
感染や痛みがある場合、その場で抗生剤と消炎鎮痛薬を処方します。内服により90%以上の症例で炎症が劇的に改善しています。
- 再発防止のためのフォロー
肛門腺炎に1度なった動物は再発しやすい傾向があるため、定期的な診察または肛門腺処置が必要になります。
当院での「肛門腺炎 」のメリットとデメリット
メリット
- 炎症・感染が早期に改善し、犬のストレスが軽減されます。
- 継続的フォローにより再発リスクが下がります。
- 猫や他犬種にも応用できる共通ケアとしてご家族全員に安心感を提供できます。
デメリット
- 自費診療のため費用は個別になります
- 複数回の再診・処置が必要になる場合があります。
- 肛門腺炎以外の原因が重なる場合、追加の検査・治療が発生します。
最後に‥
悪化して破裂する場合もあるので、そうなる前に上記にあるような症状がみられればお早めの診察をすすめします。

